「光明、何か情報掴めそうか?」

「いや…ごめん蛍、俺が中村を連れてきたせいで…」

「光明くんは悪くないから…とりあえず今は、明将を取り戻さないと…」

「うちの両親には連絡済みだ。色々動いてくれるらしいから、俺たちは明将を探すことに全力を注げる」

「場所を指定すると言われたが、結局指定されないまま電話を切られた」

「くそっ…」

なんの手がかりもないまま、明将を見つけることはできるの?

明将にもしものことがあったら、私はきっとおかしくなってしまう。

「光明、中村が行きそうなところでどこか思い当たるところはあるか?」

「あいつがどこで何をしてるかは知らないけど…そういえば、少し前に駅前のネカフェによく出入りするって話は聞いたことある」

「でも、赤ちゃん連れてネカフェに行くかしら。仮に常連だったとして、結婚も妊娠もしていなかった女性が急に赤ちゃんを連れて現れたら、不自然じゃない?」

「もしかしたらいるかもしれないし、行くだけ行ってみよう。光明は、中村にもう一度電話をかけてみてくれ」

智明の指示に従い、私は一緒にネカフェに向かい、光明くんには再度連絡を試みてもらう。

私の命より大切な我が子を誘拐したんだから、中村さんには痛い目を見てもらわないとね。