急遽光明くんが来るということで、私はバタバタともう一人分の夕食作りに取り掛かる。

「蛍、あと3分くらいで着くって。なんか、彼女連れてくるらしいよ」

「え、そうなの!? 彼女さんの分も夕飯作らなきゃ!」

「光明のは適当でいい。今作ってるそれ、彼女に出したらそれでいい」

「そうは言っても、光明くんだってお客さんだよ」

「俺のことは構わなくていいよ。蛍、久しぶりだね」

「お前、蛍と距離近いぞ。早く離れろ」

「光明くん、いらっしゃい。まもなく夕食できるから、智明と話しでもしてて」

私がそう言うと、光明は少し不満そうな顔をして私から離れた。

「お邪魔します〜」

「え…なんでここに…」

「なんでって、私が光明くんの彼女だもん。智明はあんたみたいなドブスに取られたから、光明くんにしたの」

「それって光明くんに失礼だと思うけど。要するに、智明は私と結婚しちゃったから光明くんに乗り換えたって話でしょ?」

「別にいいじゃない。あいつは私を沢山甘やかしてくれる道具なんだから」

「それ、光明くんに絶対言わないで。いい?」

「さぁね〜、口滑って言っちゃうかも?」

「いいから、早くあっちに行って座ってて」

「はいはい。あんたのくそ不味そうなご飯食べてあげる」

そう言いながら光明くんのところへ向かったのは、私に散々嫌がらせをしてきた中村さんだった。