「明…将…と。よし、できたぞ」

「おぉ、やっとだね。明将って我ながらいい名前だわ」

智明が書いてくれた命名書をすやすやと眠る明将の枕元に飾る。

「俺が付けてたら、変な名前だったと思うぞ。蛍、改めてありがとうな」

「私も負けないくらいネーミングセンスないし、明将のはたまたまだよ。お義父さまとお義母さまの提案がなかったらと思うと恐ろしいもの」

そう言って、私は身震いした。

みんなからの提案とか意見がなければ、今頃芋太郎とか権八郎だったかもしれないし。

まぁそれは大袈裟だとしても、無事に名前が決まってホッとしたのは事実。

「お邪魔します! あら、よく寝てるわね」

「お母さん、お父さんも」

「突然来てしまってすまないね。これ、少しだが出産祝いだ。改めて、おめでとう」

「わざわざすみません。まもなく起きると思うので、抱っこしてやってください」

「だ、抱っこ!?」

「何よお父さん、そんなに慌てて。抱っこくらい、私の時もしたでしょう?」

「お父さんってね、抱っこがすごく苦手なのよ。蛍の時も、お父さんが抱っこするとすぐに泣かれて、それ以来あんまり抱っこしたがらないのよ」

それはかなり衝撃の事実だが、お父さんは良くも悪くも不器用だからな。

両家の両親にもしっかり顔を見せて名前も決まって、幸せな生活がスタートする。