「智明も遂に父親かぁ…」

「兄さんがパパって呼ばれてるのとか、想像できなくない? 父上とかって呼ばせてそう」

「俺は、パパって呼ばせるつもりだ。文句あるか?」

「あらぁ、いいじゃない! 私もママって呼ばれたかったわぁ…」

「俺たちは、パパとママっていう柄じゃないだろ」

「それ言うなら兄さんもだよ。目の前でそんな光景見たら、絶対笑っちゃう」

えー、会話に参加できず取り残されてるんですが、どうしたらいいんでしょう。

私そっちのけで盛り上がっているところに水を差すのも気が引けて、お義母さまが出してくれた紅茶を口に運ぶ。

相変わらず、お義母さまのセレクトする紅茶は最高だ。

ちなみに、私が飲んでも平気なようにノンカフェインの紅茶を選んでくれたらしい。

「蛍さん、何かあったらすぐ言うんだよ。私たちは全力でサポートするからね」

「はい、ありがとうございます!」

「おもちゃとか服とか、色々買ってあげたいわね〜!」

「母さん、気が早いから。てか光明、何見てんだ?」

「え、お祝いに蛍に何かプレゼントしようと思って」

「一応俺が父親なんですけど。俺にはないんすか」

「んー、兄さんの分はないよ。蛍とベビ助だけ」

「ベビ助ってなんだよ。せめてベビちゃんとか、なんか他にあるだろ」

2人が謎の言い合いを始め、そっちを放置して私はご両親とお話に花を咲かせた。