「あら、蛍さんいらっしゃい!」

「俺もいるんだけど」

「ほら、早く中に入りなさい。大事な話があるっていうのを聞いて、光明も来てたから」

「俺の話鬼スルーで草」

「智明も草とか言うんだ。初めて聞いた」

「この間、テレビでやってた。今の若い子たちは笑いを表すときに使うんだって」

「なんか、智明が真剣な顔で解説してると面白いね。てか、草って言葉自体似合わない」

「私たちにはさっぱり何のことだか分からないわ」

「そうだなぁ…」

お義父さまとお義母さまが、そう言って苦笑いを浮かべる。

そういう私もSNS用語というか、そういうのにあんまり詳しくないから人のこと言えないけどね。

てか、妊娠の報告来たのになんの話ししてるんだろう。

やばいやばい、本来の目的から脱線するところだった。

「それで、話って?」

「兄さんがこうやって招集かける時は、ろくなことがないよね。蛍に会えるっていうから来たけどさ」

「ちょっと光明、黙って聞きなさい!」

「俺たちに子供ができました。もう安定期に入ってて、予定日は来年の春頃の予定です」

「そ、それは本当か…!?」

「こんなこと、嘘つくわけないでしょ」

「これでもう、蛍を奪えなくなった…俺の蛍…」

「いや、俺の蛍だから」

お義父さまはパニック、光明くんは放心でお義母さまは、その光景をただニコニコと眺めてるだけ。

なんともシュールです、はい。