「あの、出前のお金私も払います」

「いやいいよ。気にしないで。それより蛍、お風呂入ろっか」

「あ、じゃあ沸かしますね。ゆっくり入ってきてください」

「何言ってんの、蛍も一緒に行くんだよ」

今、なんて言いました?

名前もいつの間にか蛍って呼び捨てになってるし。

じゃなくて、お風呂一緒に入るって言った?

「無理です、先に入ってきてください!」

「今更何言ってんの。あの夜のこと、お風呂でじっくり語ろうよ」

「語りませんし、一緒にお風呂は入りません!」

「はいはい、分かった分かった」

「ちょっと、下ろしてください!」

またもひょいっと抱えられ、お風呂場へと強制連行される羽目に。

私今日めっちゃ抱えられてない?

自分で歩けるから下ろして欲しいんだけど。

「蛍、早く服脱いで。それとも、俺が脱がせてあげようか?」

「自分で脱げるし、一緒に入らないから!」

「はい、ばんざーい」

「ちょっと、服返して!?」

「無理。ほら、体冷える前に行くぞ」

半ば強引に服を剥ぎ取られ、洗濯機の中にぽんぽん服を放り込んでいく。

あぁ、こんな形で男性に裸を晒すなんて。

どうせなら、もっとロマンチックな雰囲気が良かった。