星の世界の君

~trrrrr…♪

[...もしもし。]

通話が繋がったことに少々驚きながら会話を続けた。

 「もしもし。初めてアプリ使ってみたんですけど…。」
[あ…私もです。名前は“星”って言います。]
 「俺は、月です。なんか似てますね。星と月なんて。」
[ほんとですね…!私星が好きなんです!]
 「そうなんですか?今外にいるんですけど、星綺麗ですよ。」
[はい、私の部屋の窓からも見えます。月も綺麗。]

(月?月なんて見えないけど…)

 「月なんて見えませんよここからは。」
[あ…、ごめんなさい。心の中の妄想なんです。]
 「妄想?」
[自分の中に自分の小説があって、嫌なことがあった日は
よくこうやって妄想するんです。自分が主人公みたいに…。]