13 (妹への溺愛が止まらない)



HR終了後、足早に下駄箱で靴を履いて外に出ると、何やら門の周りがやたら騒がしかった。


「あの人誰かの彼氏なのかな!?」


「大学生??背高いし、めちゃめちゃイケメンじゃない!?」


イケメン………大学生………


飛び交うそんな単語たち。


私は別に興味はないし、隙間を通って帰ろう。


人混みをかき分けて、門の目の前に来たところで、よく知っている声が聞こえた。


「あ、いた、桜妃!」


薄い茶色で、少し長めの7 3分けの髪。


高身長で、スラッと伸びる長い足。


自他ともに認めるようないやに整った顔立ち。


あの人は………


「お、兄ちゃん」


私の兄だった。