「迷惑、って思われませんか?」


「いや、その逆だね。」


その逆とは、??


困る私にその後もずっと懇願してくる天川先輩。


その熱意に負けて、私は放課後、鳳条先輩宅に行くことになった。




……そして現在。


私は大豪邸の目の前にいる。


表札にはしっかりと 鳳条 の文字。


でも、本当に鳳条先輩の家なのだろうか。


イギリスの貴族の家みたいだ。


家の中にたどり着くまでに長い道がある。


今私が立っているところなんて、その道にも入っていない、大きな門の前。


いかにも高級そうなインターホンを押す手が震える。


インターホンを押してからしばらくの沈黙の末、鳳条先輩の小さな声が聞こえた。


「………はい、」