9 (運命の人は違う誰か)


体育祭は順調に進み、午前中最後の競技、借り物競争 がスタートした。


少しだるそうに並ぶ鳳条先輩は、アンカーみたい。


髪色を変えて、周りの人とも同じはずなのに、鳳条先輩だけ一際目立ってる。背が高いから??なんかオーラが違う…。


それに、自然と鳳条先輩に目が惹きつけられる。


鳳条先輩は、じっと見られているのに気づいたのか、チラッとこっちを見た、気がした。


そして、優しく口角を上げた。


あ、、


変に心臓がなってしまった後で我に返った。


「キャー!!今の私にやったのかな!」


私の後ろに座っていた女の子たち。顔を真っ赤にさせて、照れている。