「やば、、鳳条先輩、、桜妃すごいよ、よく悶絶せずにいられるね。」


鳳条先輩がやばいってどういう意味だろう、


「うん?」


「だってさ!俺だけ見てろって言って、ハチマキ渡したんでしょ?もうそれって、自分は桜妃のもの、って言ってるのと同じじゃん!」


えぇ、そういうこと、?なの、?


「ロマンチックだね、鳳条先輩も。」


楽しげに話す琴莉ちゃんを見ていると、鳳条先輩が私にハチマキを渡した『本当の意味』を確かめたくなった。


「あ、私次の競技行かなきゃ、」


慌てた様子で席を立った琴莉ちゃん。


「行ってらっしゃい。」


人混みをかき分けていく琴莉ちゃんを見送って、私は力を抜くように、椅子にもたれかかった。