鳳条先輩は私への溺愛が止まらないらしい。

むしろ、桜妃が不安にならないように、極限まで気をつけていこうと思う。


桜妃に勘違いされて、嫌われたら元も子もないからな。


きっと桜妃は、これからも無意識に俺を嫉妬させていくんだろうけど。



──「狼くん?」


ライトアップされたクリスマスツリーの前で桜妃が可愛らしく笑う。


俺を喜ばせるためか、いつもはしないメイクをしている桜妃の目元はライトに照らされてよりキラキラと輝いて見える。


「綺麗ですね……」


桜妃の方が比にならないほど可愛い。


「少し歩くか。」


「はいっ、」


帰りの時間が近づいている。


でもその前に、桜妃にプレゼントを渡したい。


「寒い……」


白い息を吐きながら、自分の手を温かくなるようにさする桜妃。


赤、緑、青……いろいろな色が輝くその道を歩いていく桜妃しか俺の目には映らない。