鳳条先輩は私への溺愛が止まらないらしい。

自分の可愛さに少しでも気がついてくれればいいんだけどな。


俺ばかり桜妃が好きすぎて柄にもなく不安だと思っていたから、桜妃が叫んでくれた時は心の底から嬉しかった。


「ダメっ!」


無視しても無視しても寄ってくる女が鬱陶しくて、そろそろはっきり言おうかと思っていた時、そんな声が響いた。


声のした方向に目をやると、世界で一番大切な桜妃が、なんとも言えない悲痛な表情を浮かべていた。



その後、嫉妬してしまうと俺に告げた桜妃の言葉に愛を感じられて、俺がどんなに嬉しかったことか。


桜妃はやっぱりまだ分かっていないだろう。


それでもいい。いつか伝えられれば…


世の中には愛を確かめるためにわざと相手を嫉妬させようとする男もいるらしいが、俺はそんなことをしようとは思わない。