「天川先輩はここにいて大丈夫なんですか!?」


「大丈夫、俺がいなくても狼は強い。それに、他の奴らも呼んだから。」


そっか…。


「あいつ、桜妃ちゃん優先なんだ。桜妃ちゃんになんかあったら、俺殺される。」


私を…優先…心配してくれたんだ……鳳条先輩。


いつも、いつも……そうやって……守ってくれる。


しばらく走ったところで、天川先輩は立ち止まった。


「桜妃ちゃん、さっきさ……めっちゃ震えてたよね」


「…はい。」


「もし、何か狼に隠していることがあるなら、言った方がいい。…俺が言うことじゃないんだけどさ……」


「はい。」


分かっていた。いつか言わなきゃいけないって思っていた。





私は……暴走族に襲われたことがあるって……