「最初食べていいぞ。」


焼きそばが入っている、プラスチックケースを開けて、私の方に渡してくれる鳳条先輩。


ここまで、私に譲ってくれるのは、鳳条先輩の優しさ。


分かっているけど、私だって、もらってばかりは嫌なの。


「鳳条先輩！口開けてください」


「ん？」


戸惑いながらも言った通りに小さく口を開けてくれる。


そこに私は、お箸で焼きそばを運んだ。


「美味しいですかっ？」


「っっ、なに、可愛いことしてんの。」


「え？」


私がアホっぽい声をもらした瞬間に………私は鳳条先輩に抱きしめられた。


「あー、やばい」


「っ、鳳条先輩！こんなとこ、学校の人に見られたら……なんか言われちゃいます……」