鳳条先輩は私への溺愛が止まらないらしい。

「そういえば蓮は…………」



「あれ!?狼!?って、成瀬さんも、」


鳳条先輩が何か言いかけたところで、聞き馴染みのある声がした。


「…れ、レン…くん、」


身バレしないためか、黒色の帽子を深く被って、マスクをつけているレンくん。


でも、オーラがあるからファンだったらすぐに気づくと思う。


「……映画??」


「…あ、あぁ。」


「へぇ、奇遇だね、俺も自分の出てるやつ、観に行こうとしてたんだ。」


それって……私たちが観たやつ、だよね?


「あ、成瀬さんは知ってるかな?」


「へ?…あ、それ、観てきました…。」


そう答えてみせると、レンくんは深く被った帽子の隙間から少しだけ見える目を細めて、嬉しそうに笑った。