「この映画、レンくん……京極先輩出るみたいなんです。」


「は?まさか桜妃、蓮目当て?」


ショックを受けたような表情を浮かべて、深いため息をつきながら、天井を見上げた先輩。


「え、先輩?」


「どんだけ妬かせたら気が済むんだ?」


え……怒らせちゃった…??今、レンくんの名前を出さない方が良かったかな。


「ごめんなさい、、」


「蓮のこと、考えんな。俺の事だけ考えて。」


絡められる温かい手。


鳳条先輩と私の間の肘掛けのところに繋いだ手を置く。


こんなことされて、鳳条先輩のことを考えない、なんて絶対無理だよ…。


恥ずかしくて、思わず繋がれた自分の手を引っ込めようとすると、今度は私の手を包み込むように鳳条先輩の手が重ねられた。