恋した先輩には病みがある!?

「筒井って顔じゃね?」
「女子にきゃあきゃあ言われてるから調子乗ってるよな」
「ほんとうぜぇ」
「人生楽そー」
「親いねーくせに」
「筒井といれば女子受けいいよな」
「あいつといればチョコもらえるんじゃね?」
「おこぼれもらおーぜ」


くだらない。

憎悪、恋情、嫉妬、羨望。

向けられる感情たちが俺には強すぎて全部怖かった。

だから逃げるように遠い高校を選んで一人暮らしを始めた。

親戚は止めなかった。

むしろ父親が俺に残した膨大な遺産とともにお払い箱にした。

俺が成人したと同時に絶縁するらしい。

願ったり叶ったりだ。

そういえば最後まで叔母と従妹とは目を合わせることがなかった。どうでもいいけど。

今まで親の愛とか感じたことはないけれど、俺の名義でたくさんお金を残してくれたことは感謝している。

そのおかげで生活できているのだから。

高校生になって前よりも生きやすくなった。

前のようなねっとりとした空気はない。