恋した先輩には病みがある！？

「そっか･･･。それなら俺に言ってくれれば一緒に運んだのに」


寂しそうに言われ、ずきりと胸が痛みました。そして底知れない後悔が恋桃を襲います。


「ごめんなさい。恋桃の不注意で嫌な思いをさせてしまいました･･･」
「恋桃は悪くないよ。悪いのは、たったそれだけで取り乱す俺だから･･･」


斗愛くんに嫉妬されないようにするって言ったのは恋桃です。

それなのに･･･。

自身を責める言葉を聞いていられなくて、ぎゅっと斗愛くんの抱きしめ返しました。

すると斗愛くんは恋桃の存在を確かめるように頭をなで始めました。

斗愛くんは今にも壊れてしまいそうなのに、なでられて嬉しくなってしまう自分が嫌です。


「ねぇ、恋桃にはずっと俺だけを好きでいるって自信がある？」
「ありますよ。ずーっとずーっと斗愛くんのことを好きでいますよ」


いつもよりもゆっくりと伝えると、それが斗愛くんの心に染みわたったようで、空気が少し柔らかくなりました。


「ありがとう」


腕を緩まめられ、代わりに頬をなでられます。