恋した先輩には病みがある！？

もうとっくに帰ったと思っていたので一瞬幻聴じゃないかと耳を疑いました。


「えっ斗愛先輩！？待っててくれたんですか！？」
「そう返信したんだけど気づかなかった？」


ここで先輩にメッセージを送ってからスマホを見ていなかったことに気づき急いで確認すると、先輩から「どれくらいかかる？待ってるよ」と連絡が入っていました･･･！！


「あ、本当でした･･･」


先輩が恋桃を待ってくれていたのだと分かると心がじわじわと温かくなっていきます。

それとは対照的に先輩は冷ややかな視線を奥田君に向けました。


「もしかして課題があるっていうのは嘘で、そこの彼と一緒に帰りたかったの？」


なんてことないことを確認するように先輩は言いますが、その目は悲しみをはらんでいます。


「違いますよ！奥田君は恋桃についてきただけで」
「そうなの？じゃあ桃ちゃんは誰と帰りたかったの？」
「そんなの斗愛先輩に決まってるじゃないですか！」
「だよね」


なぜわかりきったことを改めて聞くのでしょう。それも奥田君に見せつけるように。