わたしは病んでいたんだと思う。

ユイくんとドライブをすると、すごく嬉しくて幸せな気持ちになれる。


学校はつらくてもドライブは楽しくて。

一日のうちに気持ちが底辺と頂点を行ったり来たりしているんだから、心がおかしくなってむしろ当然なのかもしれない。

自分でも気づかないうちに、少しずつ心が蝕まれていたんだ。


無意識でこんな発言をしないと気づけないくらいに。



「……ごめんなさい」



簡単に口にしてしまった言葉に今さら怖くなった。

謝ることしかできない。

だけど、わたしが謝ったところでユイくんは怒りを鎮めてなんてくれない。


わたしのためだ。
わたしだからだ。



「自分を責めるなよ。傷つけるなよ。そんなこと考えるなよ。莉緒の気持ちを莉緒が一番に守ってくれよ」



〝死〟という悪魔からわたしは自分を守らなくてはいけない。

一度狙われると狙われやすくなる。

その考えが頻繁に現れるようになってしまう。


嫌なことがあってもどうしようもなくて、苦しい気持ちのまま踏ん張り続けると突然パチンと何かが壊れるように全てがどうでもよくなる。

この世界に未練がなくなる。

『死にたい』って不思議と思ってしまう。