今日も普段と大きく変わらない日常を過ごした。

何かをしても、しなくても、世界は変わらず回っている。



「お疲れ」



学校を出るといつもの場所に見慣れた車が停まっていて声をかけられた。

日が落ちるのが早くなりあたりはもう薄暗い。


空にはすでに一番星が輝き始めていた。

声の聞こえたほうに顔を向けるとユイくんがいつもと変わらないクールな表情でわたしを見ていた。


目が合うと少しだけ笑ってくれる。



「早く乗って」

「うん」



急かされて助手席のドアを開けて車に乗り込む。

シートベルトをつけると車がゆっくりと動き出した。