「おはよう!」


わたしの声に驚いたように目を丸くしながらも「おはよう」と返してくれる。

それに微笑んで、また次の人。

順番に目の前にいるクラスメイトに挨拶をして自分の席へ行く。

カバンを横にかけて座った後も登校してきた前や横を通る人には挨拶をする。



「美紅ちゃん、悠里ちゃん、おはよう」

「莉緒ちゃんおはよう」

「おはよ」

「なんだかスッキリした顔してるね?」

「二人のおかげだよ」



不思議そうに首を傾げて顔を見合わせる二人。

動きがずれることなくシンクロしていて微笑ましく思う。


幼なじみでずっと一緒にいるから、こんなふうに動作とか似てくるのだろうか。



「二人がいてくれたから」

「よくわかんないけど、難しく考えすぎてるんじゃない?」

「そういう話じゃないでしょ!もう、悠里は素直じゃないんだから」



なんだかんだ美紅ちゃんのほうがしっかりしているというか、察しがいいというか。

それが良いバランスを保っており、落ち着くけど楽しい関係性を作り上げている気がする。