マンションに戻った私達は、入浴後互いに軽食を作りあい、シャンパンと共に夕食にした。
蒼空は私のことを思ってか、先程のことには触れずに今日の出来事を語る。
せっかく蒼空が気遣ってくれているのだから、蒸し返すようなことは言わない方がいいのかもしれない。
けれど本当にそれでいいのだろうか。
少なくとも私が逆の立場だったら、自分から会話を振らないにしても、本当は気になって仕方ないんじゃないだろうか。
「蒼空、さっきのこと、少し話していいかな?」
「え……?」
まさか私から自分の不都合な会話をしてくるとは思ってもいなかったのだろう。
一瞬目を丸くしたけれど、すぐに微笑んで真っすぐ私を見つめて「どうぞ」と言ってくれた。
「彼は私の直属の上司で、有馬さんっていうの。新入社員の時から本当によくしてもらった。尊敬する先輩だったの」
「あの人のことは覚えてるよ。俺のこと、かなり敵視してたからね。まあ、いきなり由華ちゃんとの結婚を決めてしまったわけだから、当然のことなのかもしれないけど。彼にとって由華ちゃんは、いちスタッフではなくて好きな女性だったわけだもんね」
「正直言って、彼の好意には気付いてたの。でも敢えて気付かないふりしてた。その方が自分にとって仕事がしやすかったし、申し訳ないけれど都合がよかった。そんな打算的な考えで、私は今まで有馬さんのことをスルーしてきちゃったんだ……」
人の好意を軽んじるなんて、本当に最低だと思う。
自分がされたら一番嫌なくせに、どうして今までこんな形で先延ばしにしてきてしまったんだろう。
蒼空は私のことを思ってか、先程のことには触れずに今日の出来事を語る。
せっかく蒼空が気遣ってくれているのだから、蒸し返すようなことは言わない方がいいのかもしれない。
けれど本当にそれでいいのだろうか。
少なくとも私が逆の立場だったら、自分から会話を振らないにしても、本当は気になって仕方ないんじゃないだろうか。
「蒼空、さっきのこと、少し話していいかな?」
「え……?」
まさか私から自分の不都合な会話をしてくるとは思ってもいなかったのだろう。
一瞬目を丸くしたけれど、すぐに微笑んで真っすぐ私を見つめて「どうぞ」と言ってくれた。
「彼は私の直属の上司で、有馬さんっていうの。新入社員の時から本当によくしてもらった。尊敬する先輩だったの」
「あの人のことは覚えてるよ。俺のこと、かなり敵視してたからね。まあ、いきなり由華ちゃんとの結婚を決めてしまったわけだから、当然のことなのかもしれないけど。彼にとって由華ちゃんは、いちスタッフではなくて好きな女性だったわけだもんね」
「正直言って、彼の好意には気付いてたの。でも敢えて気付かないふりしてた。その方が自分にとって仕事がしやすかったし、申し訳ないけれど都合がよかった。そんな打算的な考えで、私は今まで有馬さんのことをスルーしてきちゃったんだ……」
人の好意を軽んじるなんて、本当に最低だと思う。
自分がされたら一番嫌なくせに、どうして今までこんな形で先延ばしにしてきてしまったんだろう。

