国王はシャルロットの声を無視すると、近くに控えていた騎士のひとりにそう命じる。命じられた騎士が、取り乱すシャルロットの腕を引いた。

「お父様!」

 悲痛な叫びも虚しく、シャルロットは謁見室から引きずり出される。
 謁見室の扉が、目の前でバタンと閉ざされた。

(嘘でしょう?)

 まさか、六度目の人生で最初に自分を殺した男に再び嫁ぐことになるなんて。

 目の前が真っ暗になる。
 扉と一緒に、自分の明るい未来も完全に閉ざされたような気がした。