ループ5回目。今度こそ死にたくないので婚約破棄を持ちかけたはずが、前世で私を殺した陛下が溺愛してくるのですが

「わたくしは無理ですわ。だって、修道女として神の花嫁になりますから」
「でも、まだ神の花嫁にはなっていないわ。なら、ダナース国王の花嫁でもよろしいのではなくて?」

 名案が思いついたとばかりにリゼットが捲し立てる。

「そうよ! リゼットではなくて、シャルロットを行かせればいいのだわ。ねえ、あなた。そうすれば、荒波を立てずにあちらの顔を立てることもできますわ」

 リゼットの横にいた王妃のオハンナまでその案に同意し始めた。

「む、無理です!」

 シャルロットは必死にその提案を否定する。
 ダナース国の国王の元に嫁ぐなどとんでもない。