そして五度目の人生。

 かくなる上は、平民になろうと決意した。
 王宮を抜け出して放浪の旅に出て、行き着いたのは辺境の港町だ。シャルロットはそこで、自作の刺繍を売って細々と生活するようになった。

 貴族の流行を取り入れたシャルロットの作品はたちまち評判になり、シャルロットは町の人気者になった。そんな中、シャルロットはお客のひとりである青年と親しくなり、一生女ひとりで生きるのは難しいかもしれないと思い彼からの求婚に頷いた。

 ところがだ。やっぱり想定外は発生した。

 シャルロットに思いを寄せていた男性は彼以外にもいたらしい。
 結婚式当日、シャルロットの店の常連である別の男に『俺のものにならないなら、死んでくれ』と言われて殺された。