興奮気味に捲し立てたオハンナはシャルロットの睨み付ける。
 それを聞いたジョセフは目を眇めた。

「僕があなたの言うことを信じると?」
「真実よ。あなたは親の言うことが信じられないと?」
「親ね……。笑わせる。僕があなたに何回殺されたと?」

 ジョセフはフッと黒い笑みを浮かべる。

「五回だ。まあ、正確に言うと四回目と五回目はわかっていてそれを受け入れたんだけどさ」

(五回、殺された?)

 胸がドクンと跳ねる。
 ジョセフはシャルロットと同じく今が六度目の人生だ。つまり過去に五回死んでいるはずだが、その死に方を聞いたことは一度もない。

(もしかして、ジョセフは過去の人生で、毎回王妃様に殺されていたの?)

 シャルロットはジョセフを見つめる。

「あなた、何を言っているの?」

 一方のオハンナは眉を顰めてジョセフを見返す。

「まあ、まだやっていないことを言われてもわかりませんよね」

ジョセフはにこっと微笑んだ。