ループ5回目。今度こそ死にたくないので婚約破棄を持ちかけたはずが、前世で私を殺した陛下が溺愛してくるのですが

 近づいてくる秀麗な顔に目を閉じると、唇が優しく重ねられた。 シャルロットがダナース国に来てからというもの、エディロンは執務の合間を縫ってはシャルロットの元を訪ねて来てくれた。国王として多忙のため、さほど長い時間ではないものの、エディロンと交わす何気ない会話や優しい態度はシャルロットにとってとても心地よいものだった。

 そしてダナース国に来て一年ほど経ったこの日、遂にシャルロットとエディロンは挙式して正式な夫婦となった。


    ◇ ◇ ◇


 シャルロットはシンと静まりかえる寝室でベッドのシーツを指でなぞる。

(エディロン様、遅いな……)