慌ただしい日々はあっという間に過ぎてゆく。

 エディロンとの結婚式が明日に迫ったこの日、シャルロットはエディロンと一緒に過ごしていた。

「新しい部屋の居心地は悪くないか?」
「大丈夫です。家具も離宮のものに似たものをご用意してくださいましたし」

 シャルロットは頷く。

 シャルロットが明日から過ごすのは本宮の上層階にある妃のための部屋で、一度目の人生でシャルロットが使っていた部屋と同じだ。

 結婚式に合わせて離宮から本宮へ引っ越しするにあたり本宮の部屋の整備をすると聞き、シャルロットは離宮で使用していた家具に似たものがいいと願い出た。あの部屋の雰囲気が気に入っていたのだ。

「お庭が少し遠くなってしまうのが残念ですが、たまに遊びに行こうと思います。あの離宮のお庭はとても素敵でした」
「そうだな。あそこは永らく使っていないから、何かに利用できればいいのだが」

 エディロンが頷く。
 そのとき、部屋のドアをノックする音がした。

「誰だ?」
「私です。セザールです」
「セザールか。入れ」