(やっぱり話さないと)

 シャルロットはもう何度も行き着いた答えへと、もう一度行き着く。

 いつまでも逃げてなどいられない。一生エディロンの仮の婚約者でいることなどできないのだから、どこかで区切りを付けなければ。

 ──ピピッ。

 ひとり佇んでいると、小鳥の囀りが聞こえた。顔を上げると、中庭の木に一羽の小鳥が留まっている。

「ハール!」

 シャルロットはその小鳥──使い魔のハールに向かって呼びかける。

「お帰りなさい。もしかして、ジョセフからの手紙を?」
「当たり! はいどうぞ」

 ハールは片足を突き出すようにシャルロットに見せる。シャルロットは早速、筒状に丸めわれた手紙を外してそれを開いた。