花見自体は楽しかった。
 一面がピンク色に染まる景色は、それはもう言葉に尽くせないほどの美しさだった。

 ただ、エディロンからの突然の告白やその後にキスされたことを思い出し、顔に熱が帯びるのを感じる。シャルロットは顔を手で仰ぐ。

「それはようございました。それでは、陛下には素敵なプレゼントをお贈りしないとですね」

 ケイシーはにこにこしながら答える。

「プレゼント?」
「はい。それでお悩みになっていたのでしょう?」

 シャルロットの目の前のローテーブルには王室御用達の商店のカタログが置いてあった。エディロンの誕生日プレゼントを考えようと、先日のお茶会のあとにわざわざ取り寄せたものだ。