ダナース国に来てからというもの、エディロンとの婚約を破棄して死亡フラグをへし折ることだけを目標に、色々と頑張ってきた。
 それなのに、一体どこで間違えてしまったのだろうか。

(ど、どうしよう……)

 うんうんと悩んでいると、コトンと小さな音が鳴る。

「シャルロット様、随分とお悩みですね。息抜きをされてくださいませ」

 目の前のローテーブルの端にはティーカップが置かれていた。顔を上げると、にこにこ笑顔のケイシーが立っている。

「本日のお花見は楽しかったですか?」
「え? えっと……、ええ」

 動揺してちょっぴり挙動不審になってしまった。シャルロットは視線を泳がせながらもなんとか答える。