思わず見入っていると、一部の騎士達がシャルロット達の存在に気付いた。ざわめきに気付いたエディロンがこちらを振り返る。

「シャルロット」

 エディロンは少し驚いたような表情を見せたが、朗らかに微笑むとこちらに近づいてきた。

「珍しいな。あなたがここに来るなんて、初めてではないか?」
「図書館に行った帰り道に、ちょうど見えたもので」
「なんだ、ついでか。俺を見にきてくれたのかと思ったら」
「ち、違いますっ!」

 シャルロットは大慌てで否定する。見惚れていたことは事実だけれど、ここに来たのは全くの偶然だ。

「それは残念だ」

(残念って……!)

 エディロンの態度に、シャルロットは調子を崩される。
 最近、エディロンはいつもこうなのだ。妙に甘い調子でシャルロットを翻弄する。