そこには、淡い黄色のドレス姿の自分が映っていた。華美ではないものの、腰からふんわりとスカートが広がる上品なデザインだ。胸元と袖口には、さりげなくレースがあしらわれている。

「はい。本当に素敵です。髪飾りはいつものものを?」
「ええ。お願い」
「かしこまりました」

 ケイシーはシャルロットの背後に回ると、シャルロットの髪にいつもの金細工の髪飾りを付けた。

 ふと、ケイシーが時計を見る。

「シャルロット様。まだ少しお時間があるので、先に図書館に行かれますか?」
「本当?」

 シャルロットも時計を見る。確かに、出かけるまでにあと二時間近くある。少し早く準備しすぎたようだ。
 エディロンとの毎日の会話の時間を有意義にするために、シャルロットはできるだけ図書館に行き本や新聞などを読み込み、自分の中の知識を整理するようにしていた。

「ええ、そうしようかしら」

 シャルロットは笑顔で頷く。
 そんなに長居しなければ、十分に間に合うだろう。