ループ5回目。今度こそ死にたくないので婚約破棄を持ちかけたはずが、前世で私を殺した陛下が溺愛してくるのですが


「ただいま。今、男の人がこっちに歩いて来るのが見えたよ」
「男の人?」

 心当たりがなく、シャルロットは不思議に思って首を傾げる。そのとき、ドンドンと扉をノックする音がした。

「はい?」
「俺だ。エディロンだ」

(エディロン様!?)

 これまで全くここを訪ねてくることなどなかったのに、一体どういう風の吹き回しなのだろうか。慌てて扉を開けると、そこにいたのは間違いなくエディロンその人だった。
 シャルロットは目を丸くしながらも、エディロンを部屋に通す。

「どうなされましたか?」

 シャルロットはエディロンに尋ねる。