「それって、まずいわ」
シャルロットは顔色を青くする。
エディロンはエリス国の王女を娶る必要がないくらい、この一年で国際的な地位を向上することができたら婚約を破棄してもいいと言った。なのに、このままではその社交パーティーでマイナス評価を与えることになる。
「なんとかしなくっちゃっ!」
こうしてはいられない。のんびりクッキーを食べている場合ではないと、シャルロットは立ち上がる。
窓の外を見ると文鳥の使い魔──ハールが窓の外から飛んでくるのが見えた。
「ハール、お帰りなさい。」
シャルロットは窓際に歩み寄る。話しかけられたハールはバサバサと羽を羽ばたかせ、シャルロットの正面に舞い降りた。



