シャルロットは自身の使い魔──白猫のルルに話しかける。床にいたルルはポンと飛び上がると、シャルロットの前に置かれたテーブルの上に乗る。

「今日は訓練場に行ったらあの男の人がいたわよ。気合いを入れろっと叫んでいたわ」
「ふーん」

 シャルロットは鼻を鳴らす。

 あの男とは、間違いなくエディロンのことだろう。ケイシーが今日訓練場に行こうと誘ってきたのは、やっぱりエディロンが視察に来るからだったようだ。

「他には何かある?」
「他? えーっとね」

 ルルはストンと床に座り、髭を揺らす。

「あ、そうだわ。今日は厨房に行ったのだけど、今度のパーティーの食事を何にするかってみんなで悩んでいたわ」
「パーティー?」