豪華と言っても、腹違いの妹──リゼットが着ている幾重ものレースを重ねた煌びやかなドレスに比べたらまるで普段着のようにシンプルなものだが、それでもシャルロットにとっては特別に感じた。

『ごきげんよう、リゼット。久しぶりね』

 シャルロットは久しぶりに会うリゼットに挨拶をする。

『あら、お姉様。気が付かなかったわ。ご機嫌よう』

 リゼットは話しかけられて初めてシャルロットの存在に気付いたようだ。シャルロットの顔から足下まで視線を走らせると、意味ありげに口角を上げる。