イルカショーの会場に向かうと、結構人が集まっていて焦った。

麗くんの言った通りだった。早めに来てよかった。

20分前なのにイルカの水槽に近い方の席は埋まっていたから、真ん中の辺りの席に座った。

すると、広い水槽を優雅に泳いでいたイルカが急に水面を飛び出してジャンプした。



「わっ、始まってないのに飛んだ!」

「人が集まって来たけんテンション上がったっちゃない?」

「じゃあ、あのイルカは類みたいにお調子者だね」

「うん、間違いない」



類を彷彿とさせるお調子者のイルカだと発言したら、麗くんはニヤッと笑った。

その顔が類にそっくりで、やっぱり兄弟だなと実感した。