「え、掃わくも方言?」

「……たぶん」

「普通はなんて言うと?」

「“ほうきで掃く”じゃないの?」



方言だと思ってなかったらしく、微妙な顔をして「……ああ」と呟いた類。



「えー、なんかしっくりこん」



そう言いながら私に背を向けて歩き出す。

あ、帰るの?相変わらず行動が読めない。



「あっ、類ちょっと待って」



普段はそのまま帰すけど、今日は渡したい物があるんだった。

日持ちしないからすぐ渡さないと。

私は類に声をかけて家に戻り、冷蔵庫から類に渡すものを取り出した。