遠藤くんには敵わない

散歩から帰ってラッキーを家の中に入れたら、麗くんは少し出かけてくると言ってどこかに行ってしまった。



「ゆら〜、麗と散歩行ってきたん?何を楽しそうに話しとったと?」

「うわっ、もう!そこに立つのやめてってば」



背中が見えなくなるまで見送っていたら、ブロック塀の上に類が立っていた。

なんなのこいつ、いつから見てたわけ?



「で、なんの話?」

「類には教えなーい」



類はつまらなさそうに口を尖らせてなぜか私の家の庭に飛び降りた。



「ふーん、まあいいや。そういえばほうきが倒れとったけど、掃わいて掃除しようとしよったと?」

「あ、立てかけてくれたの?ありがとう」

「勝手に庭入ってごめん、けど気になって」

「別にいいけど……“はわいて”って、掃き掃除のこと?」


聞きなれない単語について質問すると、類は片付けてくれたほうきを指差してピタッと動きを止めて。

私、なんか変なこと言った?