「ゆらちゃん、一緒に散歩行かん?」



デートのお誘いを受けた3日後、麗くんにラッキーの散歩に同行しないかと言われた。

ラッキーは私を見てしっぽをブンブン振っている。

そんな嬉しそうに待ち構えられてたら、行くしかない。



「行く!ちょっと待って」



一旦家の中に入って、鍵を持って戸締りしてから門の外で待つ麗くんの隣に立った。



「リード持つ?」

「いいの?」

「ラッキー、ゆらちゃんに懐いてるから大丈夫と思う」



リードを渡してくれたから手に持つと、ラッキーは走り出さず、その真っ黒のつぶらな瞳で私をじっと見つめてきた。



「よし、行こっかラッキー」



可愛くて笑いかけると、ラッキーは「ワフッ!」と元気よく吠えた。

歩き出すと、ラッキーも歩き出して散歩がスタートした。