「やけん遠藤兄弟は福岡で有名っちゃん」

「性格悪いけどね〜」

「それなぁ、あの二人と渡り合えるゆらすごい」



彩季まで性格が悪いとはっきり言い出した。

愛衣はすごいってキラキラした目で褒めてくれたけど、そんなことない。



「渡り合ってはない、馬鹿にされてるだけ」

「それでも、あの麗が心配してくれるくらいやけん、ゆらのこと相当お気に入りなんと思うと」



お気に入り?いいオモチャではなく?

まあ確かに、ナンパから助けてくれたし、悩みを聞いてくれたし、悪い人たちではないと思う。



「ねえ、ちなみにゆらはどっち派?」

「え?」

「品行方正で実は腹黒な麗?それとも人懐っこいと見せかけて俺様な類?」

「2人とも顔は好きだけど、あの性格が無理」

「分かる〜、愛衣も一緒」



だけど絶対好きになんてなるもんか。

あの悪魔たちに惚れたらおしまいだ。

そう思うのに、昨日出かけた時のことが楽しくて、友達ならいいかなと思ってしまった。

はあ、私ってやっぱり単純かも。