遠藤くんには敵わない

「ゆら、お願い泣きやんで」



だけど突然類が抱きしめてきたから、びっくりして硬直した。

え、ちょっと何してるの?少し暗くなったからって、駅前だから普通に人通るよ。



「怖くて泣いとる?それともオレのせい?」

「どっちも……」



でも、抱きしめられてびっくりして涙が止まった。

男の人に抱きしめられるなんて初めてなのに嫌じゃなかった。

むしろいい匂いがしてずっとこのぬくもりの中にいたいと思った。

だけど下からラッキーがじっと見つめてきたから少し気まずくて類の腕から離れた。



「それより、なんで私がここにいるって分かったの?」

「ダメ元でラッキーににおい追わせたらここに来た」

「え、すごいねラッキー!警察犬も顔負けだよ」



ラッキー、麗くんと一緒にいるとお金持ちのわんちゃんに見える。

しっぽを振って撫でられ待ちだったラッキーの顔をワシワシ撫でる。

すると目を細めて嬉しそうだった。