「類が閉めたらいいじゃん」

「それもそっか……てか、なんか元気なくない?どうしたと?」

「……別に」

「福岡にはもう慣れた?」

「慣れるわけないじゃん」

「なんで?」

「みんな言葉のイントネーションが変。制服のスカートも長くてダサいし」



ほらやっぱり。八つ当たりみたいな不満が吹き出した。

類は表情を変えて窓辺に近づいてきた。



「なんかあった?」

「別に、福岡ってつまらないなと思っただけ」

「で、結局何が言いたいと?福岡のことなんも知らんくせにバカにされて腹立つっちゃけど」

「東京に帰りたいの!友達に会いたい……こんなところもう嫌!」



類は静かに怒って、淡々と言葉を発する。

そんな類が怖くて、負けじと声を張り上げた。



「帰ればぁ?オレ関係ないし」



だけど突き放すようにそう言われ、何かがプツンと切れた。

そうだ、ここには私の味方は誰もいないんだ。

こんな生活……耐えられない。

私は制服のまま走って家から出た。