「ゆら、チョロすぎて心配」

「は?」

「もっと警戒せんとダメやろ」



麗くんは笑顔を浮かべて頭をぽんぽん撫でてきた。

初めてパパ以外の男の人に頭を撫でられた。

嬉しいシチュエーションのはずなのに、なんかモヤモヤする。

もしかして私、またバカにされてる?



「変な男に捕まらんことよ」

「よ、余計なお世話です!」

「顔真っ赤やけん説得力ないけどね」

「もう、麗くんなんて嫌い!」



私は嫌いと吐き捨てて自分の家に走って戻った。

風に乗って、麗くんの笑い声が聞こえた気がしたけど嬉しくはない。

せっかく、麗くんの本音を聞けた気がしたのに。

仲良くなれそうだと思ったのに。

そんなことなかった。やっぱり遠藤くんたちはいじわるだ!