「俺のこと何も知らんくせに、告白してくる人」

「何も知らないというか……その二面性は誰も気づけないと思う」

「確かに、ゆらも騙されとったもんね」

「うん、見事に騙された」



麗くんは「そっか」と呟いて、綺麗な手で私の髪に触れた。

そして顔を上げ、至近距離で私の目を見つめる。

何、このときめき……それに麗くんからいい匂いがして緊張する。



「でもゆらは、本当の俺を知ってもまっすぐ見てくれる気がする」

「れ、麗くん?」

「……ブハッ」



もしかして、私のこと口説こうとしてる?

心臓のドキドキが止まらなくて動けない。

ところが、麗くんは突然うつむいて肩を震わせる。

……今、笑ったよね。