「好きになるか、バーカ!」

「心配になるくらい単純やん……変な男に騙されんことよ」



華麗にかわした類はいい笑顔。

うっ、至近距離で見ると心臓に悪い。



「まあ、相談くらいは乗っちゃるけん」

「うるさいってば、余計なお世話!」



ほんの少しときめきを覚えたけど、そんなもの怒りで木っ端微塵に砕かれる。

ムキになる私がそんなに面白い?

類はご機嫌に自宅の玄関の扉を開けて中に入っていった。

もう意味分かんない、性格悪すぎて疲れる。

はぁぁ。特大のため息をついた時、後ろから足音が近づいてきた。