「こら古賀〜、お前また遅刻か」



その時、担任の先生の声が廊下から響いてきた。



「すみませーん、でも授業前だからセーフ」

「なん言いようと?どう考えてもアウト」

「あいた!」



教室に入るなり、先生からチョップを食らった女の子。

ふわふわの巻き髪をツインテールにした、アイドルみたいなキラキラした見た目の子。

その子は一直線にサキちゃんの机に来て、歯を見せて豪快に笑った。



「ヤバいっちゃけど、1分ごとにアラーム鳴ってたのに全く記憶ない」

「ウケる、新学期からさっそく遅刻〜?
ねえ愛衣(めい)、この子転校生のゆらちゃん」

「転校生?マジで!?」



その子は私を見るなりグワッと目を見開いて近づいてきた。

でもその勢いより、イントネーションにびっくり。

()ジで』じゃなくて、『()ジで』なの?

え、博多弁ってそんなに訛ってたっけ。